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内科

内科について

内科では、多くの方が経験する風邪や発熱、腹痛などの一般的な症状から、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に至るまで、幅広い疾患の診療を提供しています。
患者さまが安心して気軽にご相談いただける環境づくりを大切にし、一人ひとりの困りごとに寄り添った細やかな医療サービスを心がけています。何か心配事があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

よくある疾患

  • 風邪
  • 逆流性食道炎
  • 慢性胃炎
  • 高血圧
  • 脂質異常症
  • 糖尿病
  • 慢性腎臓病
  • 高尿酸血症(痛風)
  • 骨粗鬆症
  • 不眠症 など

風邪

風邪は、鼻や喉の粘膜にウイルスが感染することにより、咳、喉の痛み、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、声のかすれ、発熱などを引き起こす病気です。感染の大部分(80~90%)はウイルスが原因で、細菌やマイコプラズマ、クラミジアも関与します。多種多様な風邪ウイルスが存在し、常に変異を繰り返し、新しい型が毎年出現するため、成人は年に2~3回、お子様はさらに頻繁に風邪を引くことがあります。
インフルエンザのような特定のウイルスにはワクチンや治療薬がありますが、一般的な風邪ウイルスには特効薬がなく、治療は症状の緩和に焦点を当てて行われます。

発熱風邪症状外来

風邪の原因と検査

風邪の主要な原因とその特徴は以下の通りです。また、当院では迅速検査を実施しておりますので、風邪の症状がある際には、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。

ウイルス 症状と特徴 迅速検査の有無 アルコール消毒
インフルエンザウイルス 発熱、関節痛、筋肉痛、頭痛など。
内服薬や吸入薬、点滴で治療可能。
あり 効果あり
RSウイルス 鼻水、咳などの気管支症状。
特に乳児は重症化しやすいため要注意。
あり
※1歳未満の場合は保険適用。
効果あり
ライノウイルス 一番多くみられる原因。
春と秋に流行しやすい傾向にある。
なし 効果なし
パラインフルエンザ
ウイルス
特有の風邪症状を引き起こす。 なし 効果あり
アデノウイルス プール熱やはやり目の原因。
夏に流行しやすく、喉や目に症状が出やすい。
あり 効果なし
コクサッキーウイルス 手足口病やヘルパンギーナの原因とされる。
夏に流行するウイルス。
なし 効果なし
ヒトメタニューモウイルス 症状はRSウイルスに似ている。
乳児は重症化しやすく、3~6月に流行する傾向がある。
あり
※院内施行なし
※6歳未満で肺炎疑いの場合、保険適用される。
効果あり

抗生剤の適正使用

風邪の80~90%はウイルス感染であり、抗生剤を用いてもその効果は限られています。さらに、抗生剤による耐性菌の発生リスクも伴います。しかし、風邪と似た症状を示す細菌感染症の中には、抗生剤治療が必要なものもあります。
ウイルス感染と細菌感染を区別するためには、血液検査や迅速診断検査が役立ちます。迅速診断では、インフルエンザ、溶連菌、アデノウイルス、RSウイルスなどを約5~15分で識別できます。
当院では、風邪ウイルスに対しては通常抗生剤を処方せず、細菌感染が疑われる場合には、症状や経過に基づいて血液検査や迅速診断検査、X線検査を実施し、必要に応じて抗生剤を使用します。患者さまの年齢やお持ちの基礎疾患、お薬内服状況を総合的に考慮して治療方針を決定いたします。

原因 特徴 診断方法
溶連菌 大人からお子様まで発症する「喉風邪」の症状。再発防止のため抗生剤は最後まで服用する必要がある。経過は良好ですが、急速進行性に重症化する場合があります。 溶連菌迅速検査
細菌性肺炎 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、マイコプラズマなどが原因。
それぞれの菌に合わせた治療が必要。
X線検査、血液・喀痰検査
マイコプラズマ 激しい咳が特徴で、家族内感染が多い。
長期間にわたる風邪の原因でもある。
血液検査、
迅速検査
百日咳 長期間にわたる咳が特徴。
進行を予防するには早期治療が重要とされている。
血液検査
副鼻腔炎

風邪症状だけでなく、発熱や頭痛、副鼻腔叩打痛(指で軽く眉間や頬を叩いただけで現れる痛み)がある。鼻のポリープや気管支喘息が合併するパターンがあるため、発症時期や原因に応じた治療が必要。

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気管支喘息

気管支喘息は、呼吸の通り道である気道部分にアレルギー反応などによる慢性的な炎症が生じることで、気道が敏感になり、風邪や気温の変化などの外的刺激によって気管支が狭まり、咳や痰の症状を引き起こす疾患です。この病気は、症状の出現と消失を繰り返し、特に夜間から早朝にかけて症状が悪化する傾向があります。
喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)、呼吸困難、咳、痰、喉や胸の圧迫感などが典型的な症状です。非典型例として、胸痛を主体とするものもあります。風邪のひき始めや天気の急変、季節の変わり目、気温の変化、アレルギー物質、ストレス、疲労などが、症状の悪化を引き起こすトリガーとされています。

気管支喘息

生活習慣病

高血圧

高血圧は血圧が常時正常範囲を超える状態です。血圧の高い状態が持続すると全身の血管に過剰な圧力がかかり、炎症や血管壁の損傷を引き起こします。その結果、動脈硬化が進行し、心臓病、脳卒中、腎不全などの重大な疾患リスクが高まります。日本では、40~74歳の男性の約60%、女性の約40〜45%が高血圧と報告されており、その患者数は決して少なくありません。
高血圧の治療では、まず生活習慣の改善が行われます。減塩、適度な運動、禁煙、適切な体重管理が重要です。これでも血圧が十分に改善しない場合には降圧薬が使用されます。最終的な目標は、薬を減らしつつ、生活習慣を中心とした血圧管理を維持することです。高血圧の診断基準は、診療所や病院で測定した場合、収縮期血圧(上)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下)が90mmHg以上です。しかし、診療所での測定結果だけでは判断が不十分な場合もあり、特に早朝型高血圧(家庭での測定で血圧が高い状態)や白衣高血圧(診療所では高くても家庭では正常)などが疑われる場合には、家庭での血圧測定が推奨されています。家庭血圧の診断基準は、収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上です。特に、40歳以上の方は毎日決まった時間に測定し、血圧管理を心がけることが大切です。

高血圧

糖尿病

糖尿病とは、「インスリン」というホルモンの分泌量が減ったり、働きが悪くなったりすることで、ブドウ糖が有効に使われず、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなってしまう病気です。糖尿病は、大きく分けて1型糖尿病と2型糖尿病に分けられますが、ほとんどの方が遺伝や生活習慣に起因する2型糖尿病です。
糖尿病は、サイレントキラーとも呼ばれるほど初期症状は乏しいことが多く、気付かないうちに進行することが多い病気です。血糖値が高い状態が続くと、血管障害が起こりやすく、血管が狭くなり詰まることで眼の網膜、腎臓、神経などに障害を引き起こします。さらには、心筋梗塞や脳梗塞などの生命に関わる重篤な合併症を引き起こすこともあります。
糖尿病を早めに見つけ出し、すみやかに治療を開始することが大切です。健康診断などで血糖値やHbA1cの異常、尿糖を指摘された方は、ぜひ一度専門医へご相談ください。

糖尿病

脂質異常症(高脂血症)

健康診断で測定される中性脂肪(トリグリセリド)やコレステロールの数値は、血液中の脂質の量を示します。これらの脂質が多いと、血管への負荷が増え、血管内に脂質が蓄積して動脈硬化のリスクを高めます。動脈硬化が進行すると、心臓病や脳血管障害などのリスクが上昇します。
肥満と密接に関連しているため、生活習慣の見直し、食生活の改善、定期的な運動を通じて健康的な体重を目指すことが重要です。生活習慣の変更だけで改善がみられない場合は、医師の指導のもと薬物治療を検討します。

脂質異常症

高尿酸血症

尿酸は、体内でエネルギー源となるプリン体が分解される過程で生成される物質です。通常、プリン体は肝臓で尿酸に変換され、尿や便を通じて体外に排出されます。
しかし、尿酸の生成が過剰になったり排泄が滞ったりすると、血中の尿酸濃度が上昇し、高尿酸血症となります。初期段階では自覚症状がないことが多いですが、尿酸が一定量を超えると結晶化し、それが関節に蓄積されると「痛風」を引き起こします。
痛風を放置すると、激痛だけでなく、関節障害、尿路結石、腎障害などの合併症リスクが増大し、脳血管障害や心筋梗塞の発症率も高まります。そのため、高尿酸血症と診断された場合は、薬物治療で尿酸値を管理し、プリン体の多い食品(内臓類、干物、魚卵など)やアルコール(特にビールや焼酎)の摂取を控える生活習慣の改善が求められます。また、ハードな運動は尿酸の増加を招くため、適度な運動に留めることが推奨されます。

高尿酸血症

骨粗鬆症

骨粗鬆症は骨の組織が弱まり、骨が脆くなる病気です。将来的な骨折のリスクを高め、身体活動性や生活の質の低下を招く可能性があります。かつては高齢者に多くみられた病気ですが、最近では過度なダイエットや不規則な食生活、偏食の影響で、若年層の女性にも発症するケースが増えています。不安がある方は、ぜひ当院へ相談してください。
当院では、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息などでステロイド治療を受けている患者さまに、骨密度検査を受けることを推奨しています。スクリーニング検査を希望される場合は、当院での検査が可能です。治療には活性型ビタミンDやビスフォスフォネートといった薬物治療を中心に、運動療法や栄養療法を併用し、骨密度の改善を目指します。
当院は宝塚市に在住している40歳以上の女性市民(40歳・45歳・50歳・55歳・60歳・65歳・70歳)を対象とした無料検診を実施していますので、この機会にぜひご活用ください。

骨粗鬆症

不眠症

睡眠は、身体だけでなく心の回復にも不可欠なものです。ただし、現代社会は外部からのストレスがあり、多くの方が質の良い睡眠を維持できていないという問題を抱えています。「疲れていても眠れない」「眠っても浅くて熟睡した感じがしない」「すぐに目が覚める」などは、不眠症の典型的な症状です。睡眠不足が長引くと、身体的な疲労だけでなく、注意力や集中力の低下、さらにはうつ病や不安障害といった精神的な問題も生じる可能性があります。
当院では、患者さま一人ひとりの症状や生活習慣を詳しく伺いながら治療を進めます。治療では、依存性が低く、耐性が生じにくい薬剤を中心に使用します。ただし、薬物療法はあくまで一時的なサポートと考え、症状が改善するにつれて徐々に薬の量を減らし、最終的には薬を使わずに不眠症を克服できるようサポートしています。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸や胃内容物が食道へ逆流することで炎症を引き起こす病気です。通常、食物は食道の蠕動運動と胃入口の噴門(ふんもん:逆流を防ぐための弁)によって胃へ運ばれますが、これらの機能に異常があると、胃まで運ばれた食物や胃液が食道へ流れてしまいます。
胃の中は酸性の環境に適応していますが、食道は胃酸に耐えられる環境ではありません。そのため逆流すると、食道に炎症を引き起こします。主な症状には、胸やけ、みぞおちの痛み、呑酸(どんさん)、喉の違和感などがあり、症状が悪化すると声のかすれや慢性的な咳が現れることもあります。
治療では、胃酸の分泌を抑える内服薬を用いた薬物療法が実施されます。

逆流性食道炎

慢性胃炎

慢性胃炎は胃粘膜が持続的に炎症を起こしている状態です。最も多くみられる原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染ですが、薬の副作用、過食、過度の飲酒、喫煙、ストレスなども原因となり得ます。また、自己免疫疾患(A型胃炎やクローン病など)が関与するケースもあります。
慢性胃炎により胃粘膜が損傷されると、胃痛や不快感が生じることがあります。さらに、胃の運動機能の低下により、胃もたれ、胸焼け、げっぷ、呑酸(どんさん)、腹部膨満感が現れ、食欲が落ちることもあります。慢性胃炎を放置すると胃がんのリスクが高まるため、注意が必要です。